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「人はパンのみにて生きるにあらず」。パンと水が身体に不可欠なように、芸術は「こころのパン」として魂に不可欠であります。それは国境を越え、言葉を超越して、接する人の心に直接響きを与え、語りかけます。
今なお傷が癒えていない被災者を忘れずに99年8月及び11月、トルコは2度にわたり大地震に見舞われました。総数2万人を超える死者と現在なお困難な生活を強いられている多数の被災者のために、芸術を通して鎮魂と慰め、希望と勇気を与える「こころのパン」プロジェクト−被災地での巡回展−へのご賛同とご支援をお願いするものです。
海外からの関東大地震と阪神大震災支援のお返しを同じアジアの東西両端9000kmの距離にあって、トルコの被災者と悲しみを共有し、ともに希望を灯し、歩みを一歩ずつ進めるために「こころのパン」を届けようと思い立ったのは、偶然でも単なる思いつきでもありません。大正12年の関東大震災の時、ベルギーの画家や彫刻家たちが130点を超える作品を東京市(当時)に送り、その売上高すべてを被災者の義援金として提供してくれたのです。
まさに日本が海外から受けた最初の広域自然災害ボランティアではなかったでしょうか。
「フランダースの犬」の大聖堂からの贈り物阪神・淡路大震災では、やはりひとりのベルギー市民による語りかけで多くの人々の支援をもとに複製制作された、「フランダースの犬」で有名なアントワープ聖母大聖堂にある14世紀の有名な聖母子像が震災4年後の平成11年春、神戸に届けられました。今、だれもが六甲カトリック教会の鐘楼の一角で見ることができます。
今度はわたしたちが「こころのパン」を届ける番ではないかと思い立った次第です。本計画はイスタンブールのミマル・シナン大学、マルマラ大学の美術学部、被災地でもあるデイルメンデレ市当局による全面的な賛同と熱意を受けイスタンブール、アンカラを始め4大都市で巡回展を2002年夏から開催し、最終的にはデイルメンデレ市に建設予定の現代美術館のギャラリーで恒久展示されることが約束されました。
トルコが渇望する「こころの支援」を巡回展で一方これに先立ち、海岸が100m沖まで沈んだ被災地デイルメンデレ市(注1)で2000年7月に「こころのパン」プレ・イグジビションを開催しました。11人の日本現代美術作家の作品は多くの被災者の心に慰めと勇気、希望を与えました。作品はその後、アンカラ、イスタンブールなど各地でも展示されています。
本計画を成功させ、一粒の麦から大きな収穫を得るために、みなさまから運営資金、作品の国内搬送、梱包、ワークショップのための商品提供など温かいご支援が不可欠です。何卒、趣旨にご賛同いただき、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
***「こころのパン」巡回展とワークショップ***
1 開催期間:2002年8月〜2003年3月(注3)
2 開催地:アンカラ、イスタンブール、イズミル、アンタリアの国立アタチュルク文化センター、国立絵画彫 刻美術館及びデイルメンデレ市
3 恒久展示:デイルメンデレ市内に建設予定の現代美術館で恒久的に展示(注2)
4 主催:AICAT、国立ミマル・シナン大学、国立マルマラ大学、開催地自治体及びデイルメン デレ市
出品:一昨年の寄贈作品に加えて、さらに日本の現代美術の画家、彫刻家による作品60点 ほど
6 ワークショップ等:デイルメンデレ、イズミット、イスタンブールの被災地で子供たちを 対象にしたクリエイティブな(絵画、日本の書、写真など)ワークショップ、両国の作家、 専門家によるシンポジウム、さらに図書館への日本の美術図書の寄贈も同時実施
7 ご協賛の送り先:郵便振替口座番号 01380−7−16425
加入者名 国際協力アカデミーひろしま
ご協賛をいただいた方々のお名前は、巡回展カタログに記載いたします。
G お問合せ先:国際協力アカデミーひろしま(AICAT)…電話はこの趣旨書の頭に記載しております。
または、ダイキン工業株式会社東京支社 中浜慶和(AICAT副代表理事)
TEL 03−3344−8056 FAX 03−3344−8021
注1:デイルメンデレ市は、トルコでは国民に芸術の町として知れ渡っている瀟洒な町で、毎年国際彫刻シンポ ジウムを開催し、日本の作家になる作品も含めてその作品群は海岸の公園一帯に展示されてきました。しかし 今回の大地震で大半の作品が海没、あるいは流されて失われました。公園の幅100mが海に沈み、国民の心の糧 であった芸術を失った災害地デイルメンデレ市は、落胆の中から立ち上がろうとしています。市長からの「わ たしたちはパンと水を必要とするが、芸術も必要としています」というメッセージが私たちの胸を揺さぶりま す。
「こころのパン」プロジェクトは被災地からの芸術への希求にこたえ、ワークショップを被災地各地で開催する ことで、今なお崩壊した建物に囲まれてとくに将来のトルコを担う子供たちに勇気と希望を与えようとするも のです。さらに甚大な被害の中から新しく芽生える「こころの息吹」を両国の芸術家の連携で育て上げようとす るものです。
注2:デイルメンデレ市は「こころのパン」プロジェクトを契機に、震災で崩壊した旧市庁舎の跡地に現代美術館 の建設を決定し、建築図面はトルコの著名な建築設計家シュウキ・ワルン氏が担当、建築の目処がたとうとし ております。デイルメンデレ市は美術館の周囲をプラタナス公園と名づけ、震災で沈んだ公園に面した海岸を 整備するために、駐イスタンブール日本総領事館の支援のもとに、草の根交流基金に支援を要請しています。 この美術館に「こころのパン」を通して寄贈された先生方の作品が、恒久展示され、日本からのこころのメッセ ージを発信しつづけることでしょう。
注3:この度のアメリカにおけるテロ事件のために、開催が2002年夏に延期されることになりました。
現在、現地関係者と開催地並びに開催期間に関して調整を行っております。
9000km離れたアジアの東の国日本から西の国トルコへ、「こころのパン」を届けよう
9000人が1kmずつリレーをすれば、トルコに届く
9000人が1000円ずつ差しのべれば、プロジェクトは完成します
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