地震対策ハンドブックを作製 初期対応の3原則列挙−−県内NPOと流通業者
災害地に人を派遣して国際支援活動をしているNPO「国際協力アカデミーひろしま」(AICAT、上田みどり代表理事)と、県内の流通業者など約40社で構成する「広島流通懇談会」(宮野鼻治代表幹事)が地震対策ハンドブックを作製した。同懇談会が結成15周年事業としてAICATに出資協力、約1年間かけて作製した。昨年3月の瀬戸内地震(芸予地震)後に行ったアンケートをもとに、ポイントを分かりやすくまとめている。当面、学校や公民館などに1万部を無料配布して防災意識の向上に役立てたいとしている。 【和田崇】
AICATは昨年5月、広島、呉両市内で2000人を対象に瀬戸内地震のアンケート調査を実施、約1500人から回答があった。その中で、「家の中にいた方が良いのか、出たほうが良いのか迷った」など、初期対応での戸惑いが目立ったことから、地震発生から10秒間の初期行動の重要性に着目した。
ハンドブックでは、地震発生から10秒間で取るべき行動について、(1)とにかく頭を守る(2)体を安全なところに寄せる(3)あわてて外へ飛び出さない――との3原則を列挙。在宅時と外出時の別や、高層マンションや木造住宅別など地震に遭遇した場所ごとに具体的な行動例を紹介している。
また、家族の安否確認や問い合わせのため、災害時にNTTが開設する災害用伝言ダイヤル「171」の利用方法や、日ごろの備え、災害に強い建物のチェック方法なども掲載している。B5判、オールカラー16ページで、イラストを多用して利用しやすくした。
AICATの中浜慶和副代表理事は「地震災害は、初期対応での誤りが被害を大きくしているケースも多い。行政などに呼びかけて、より広くハンドブックを配布したい」と話し、今後は外国語版も作製する予定。問い合わせはAICAT(082・224・3232)へ。
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